病院の融資でも銀行は貸してくれないことがある?銀行の立場を考える
資金繰りはすべての経営者にとって大きな課題。
建物や内装や医療機器などの設備投資をする場合、銀行からの融資を検討するのではないでしょうか?
銀行融資を受ける際、資金繰りの良い会社に融資をして、資金繰りの悪い会社には融資を渋ります。
でもそこをなんとか銀行から融資を受けたいのが本音。
病院経営者が銀行融資を受けたい場合のコツや注意点にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は、病院が銀行融資を受ける際のコツや、注意点について現役の銀行員である友人に話しを伺って内容をまとめました。
目次
病院が銀行融資で資金調達する3つのコツ
一昔前まで、病院は銀行にとって優良な融資先でした。
しかし近年、銀行は病院に対する見方を変えてきており、病院でも銀行融資を断られることが多くなっています。
この章では、銀行融資を断わられないようにする3つのコツを紹介していきます。
事業計画書の作成
銀行から融資を受ける際に非常に重要になるのが事業計画書です。
この事業が順調に成長し金利を含めた資金を回収できるかどうかを判断する大きな材料になるからです。
この事業計画書の作成にあたって注意しておきたいポイントが2つあります。
計画が具体的で実現可能か
事業計画書が具体的で実現可能になっているかは非常に重要になっています。
いくら内容が素晴らしくても実現可能でなくては意味がないですし、抽象的な内容では銀行にうまく内容が伝わりません。
具体的な内容で実現可能になっていることは非常に重要なポイントになります。
計画がわかりやすい内容になっているか
事業計画書の内容がわかりやすい内容になっていることも重要なポイントです。
銀行の担当者は、病院経営のエキスパートではありません。
専門用語が多い事業計画書だと伝えたいポイントが伝わらない可能性があるので小学生でも分かるくらいのわかりやすさにすることは大きなポイントになります。
以上が、銀行融資を受ける際の事業計画書のポイントになります。
次に、2つ目のコツをみていきましょう。
融資額と用途を明確にする
銀行から融資を受けるためには、融資の金額と資金使途を明確にすることが大切です。
そもそも融資額が決まらないと銀行は検討しようがないですし、資金を何に使うかが明確にならないと銀行は融資を検討することが出来ません。
融資額と資金用途を明確にすることは、銀行から融資を受けるにあたって非常に重要になります。
最後のコツは資金繰り表で返済計画を細かくつたえることです。
資金繰り表で返済計画を明示
銀行が融資をするにあたって一番気になることが、融資したお金がしっかり戻ってくるかどうかです。
融資をする病院の資金繰りがどうなっているかは融資をするにあたって銀行が気にする大きなポイントになります。
以上3点が病院で融資を受ける際の3つのコツでした。
では、銀行が融資を受ける際のメリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
次の章で病院が融資を受ける際のメリット、デメリットについてまとめていきます。
医療法人が金融機関から借り入れするメリット·デメリット
病院が銀行から融資を受けるメリット、デメリットはいったいどのようなものがあるのでしょうか?
この章では、銀行から融資を受けるメリット、デメリットについてまとめていきます。
まずは銀行から融資を受ける3つのメリットを紹介します。
メリット:低金利
銀行から融資を受ける一番のメリットは金利が低いことです。
資金の調達方法には、カードローンや消費者金融からのローンという方法もありますが、銀行の融資は金利が低いのでおすすめです。
特に、2016年にマイナス金利が導入されて以来、銀行の貸し出し金利は低位で安定しています。
昔は銀行融資の金利は、7~8%なんていうこともありましたが今は本当に低い金利でお金を借りることができます。
更にどこの銀行も優良な貸出先を探しているので、金利を更に安くしてくれる傾向にあります。
医療法人が銀行から借り入れするメリットの1つ目は金利が低いことです。
メリット:事業を即時に展開出来る
銀行から融資を受ける2つ目のメリットは、事業を即時で展開することが出来ることです。
手元資金がないと設備投資に二の足を踏んでしまいますが、手元資金が厚ければ様々な展開を考えることができます。
メリット:信用力が増す
銀行から融資を受ける3つ目のメリットは信用力が増すことです。
銀行からの融資を継続して受けるためにはしっかり返済を行っているという実績が必要です。
同じ銀行で何度も借り入れを行っているとそれだけ信用力が増していきます。
以上が主な銀行からの融資を受けるメリットです。
次に銀行融資のデメリットを2つ説明します。
デメリット:審査が厳しい・時間がかかる
銀行から融資を受ける際のデメリットの1つ目は、銀行の融資の審査は厳しくまた時間がかかることです。
銀行から融資を受けるためには、提出書類も多いですし基本赤字決算の場合、新規で融資を受けることはかなり難しいです。
またすぐに資金が必要でも銀行の審査は時間がかかるので急な資金需要に対応してもらうことは出来ません。審査が厳しいことや時間がかかることは大きなデメリットになります。
デメリット:本当に必要な時にお金を貸してもらえない
銀行は、冒頭でも書きましたが基本的に業績の良い会社にはお金を貸したくて、業績の悪い会社にはお金を貸したくないのが本音です。
病院の場合もまったく同じで経営の厳しい病院にはお金を貸したくないのです。
経営者の立場からすれば、本当に必要な時にお金を貸してくれない銀行と取引するのは大きなデメリットになります。
以上が銀行融資の主なデメリットでした。
銀行融資はメリットも多いですが、デメリットも非常に大きいのは現実です。
では銀行融資のデメリットを補う資金調達方法は何かないのでしょうか?
次の章で、銀行融資以外の有効な資金調達方法について説明していきます。
診療報酬債権がある場合はすぐに資金繰りを改善できる
前の章で銀行融資のメリット、デメリットについて説明しました。
でも融資は時間もかかるし、受かるか心配・・という方もいらっしゃるでしょう。
すぐに資金調達できて、審査基準もあまい方法はないかな・・・?
という方のために、以下では「医療ファクタリング」について詳しく説明していきます。
医療ファクタリングとは
医療ファクタリングとは何かというと、診療報酬債権を利用した資金調達方法です。
資金調達に要するのは今ある診療報酬債権(レセプト債)だけ。
それをファクタリング会社に買い取ってもらい、資金調達するのです。
ファクタリング会社が審査にかかる時間は3日以内が通常なので、切羽詰まった状況でも問題なく資金調達できるでしょう。
しかも審査基準は病院の経営状態ではなく、診療報酬債権の債務者です。
つまりは国保や社保が審査対象となります。
絶対に破綻するようなことはありませんので、絶対に資金調達できるでしょう。
詳しく知りたい方はこちらの医療ファクタリングに関する記事を参考にしてみてくださいね。
オフバランスで追加融資も可能
医療ファクタリングを利用することによってのメリットは、銀行融資のデメリットを払拭することだけではありません。
医療ファクタリングを利用することによって、銀行からの追加融資が受けやすくなるのです。
どういう事かというと、医療ファクタリングは借り入れではないので貸借対照表や損益計算書などの財務諸表に借り入れと載せる必要がありません。
つまり融資を受けていない状態なので財務諸表は軽くなります。
融資金額が大きいと銀行は追加融資に難色を示しますが、医療ファクタリングはそもそも融資ではないのでその心配もなくなります。
医療ファクタリングを利用することにとって、将来銀行からの追加融資は受けやすくなるのです。
まとめ
今回は、銀行融資を成功させるポイントについてまとめていきました。
ぜひ銀行融資を成功させていただきたいですが、時間がかかる・審査が厳しいというデメリットを払拭したいかたは、医療ファクタリングの利用も検討してみてはいかがでしょうか?